今日も一日ガルザウルス

先生が蒸発してるんだ!どうして…?

正解さえも間違いさえも無い ただ一つの道を

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全てのどうびじゅ読者よ、桃音達が選んだ道を見届けてほしい

未来が、今を生かすのだ

次回、『黎明』

決めろ、最後の居残りを

 

 

 

平成31年4月25日、相崎うたう先生著の『どうして私が美術科に!?』3巻が遂に発売されました。

まんがタイムきららMAX31年5月号で完結となったどうびじゅ。

どうびじゅ界隈も色々思うところはあるんだろうと感じてますが、美しい終わり方だったんですよね。

間違いなくこれまで、またこれからも自分のオタク的価値観に影響を与えている『どうびじゅ』について、感謝も込めてどうしても書き留めたいことがあったのでまたしてもクソ記事作成に励んでしまいました。10連休ありがとう…

といっても相崎先生×くろば・U先生の対談記事に大事なことはすべて書いてあるんですよね…

なのでいつも実質〇〇論をはじめとした意味不明発言をTwitterに投下しているオタクの読書感想文ということで一本書きました。

 

どうびじゅ読んでないって人は頑張って読んでください。全3巻。GWなのに労働なんてしてる場合じゃないですよ?

第3巻の店舗特典は少なくなってましたけど相崎先生描き下ろしのアイコンがめちゃくちゃ可愛いんですよね。特に翠玉先輩。夢女になりてぇ… 

 

どうして私が美術科に! ? (3) (まんがタイムKRコミックス)

どうして私が美術科に! ? (3) (まんがタイムKRコミックス)

 

 

1〜2巻を読んだ時の感想は1年くらい前にまとめてたのでこっちをどうぞ。

  

yasai-don.hatenablog.com

 

 

まんがタイムきららエボルト

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私は女子高生の感情を学びに来ました…

 

きららMAX読者、毎月19日0時になるたびに公式が投下するどうびじゅとステラのまほうの予告で阿鼻叫喚してましたね…

どうびじゅステまを読み終えた後これになってたのも懐かしいですね…

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NIIGATAは入荷が一日遅いのでその気持ちを引きずるの普通に辛かったんですよ…停滞の影タイムトリッパーかよ…

 

 

いやそれにしても、

「桃音が地球外パワー発動!」

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「ここは滅んだはずの地球…?」

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といい実質ビルド要素多すぎたんですよね…。


エグゼイド(外科医×闇医者)といいビルド(戦兎×万丈)といいジオウ(ソウゴ×ゲイツ)といいエモすぎるカプが乱立してるためかきららのオタクがビルドのオタクに溢れてるの意味不明だな…なんだこれ?


地球に来たエボルトにどうびじゅとステラのまほうを読ませ続けて育てた結果、内海の一発芸のみで地球を滅ぼすの延期してくれたんですよね。でも池谷乃々の暴虐っぷりを見せた方が喜ぶんじゃねぇかなアイツ…

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MAX激動の1年、連載陣が入れ替わりまくった結果既アニメ化作品4本以外2019年5月時点で2巻が発売してる作品がないという中堅層が存在しない雑誌になりました。

日刊こみっくがーるず連載陣がもう球場しか残ってないのマジか…ってなりますよね

流石に既アニメ化5作品(+ひだまりスケッチ)+アニメ化決定3作品抱えてるキャラットと比べると層が違いすぎるんですよね…

今のキャラットはバランスが取れているというか、NEW GAME!2話連載がありえん面白いのもあるんですけど、RPG不動産パイ呼び!かぐらまいまい!など面白い作品もあり、更に3号連続アニメ化決定で波が乗ってる感ありますね。まぞくも恋アス(綺麗なイノ先輩)もおちフル(きたないイノ先輩)も楽しみなのでキャラットしか信用できない…

連載陣の入れ替えはよくありますがなんでここまで強行策に出たのかは気になるところですが、まあ雑誌の固定ファンの兼ね合いとか「新人」として売り出せる期間とか読者側には想定できないことも色々あったんでしょうね。僕はよく分かりませんし納得できる気もしないので理解しようとも思いませんが…

 

きらら系列を購読し始めたのが大体1年くらい前なので僕はありえん浅いオタクなんですけどそこは許してください。

 

最近読んだ中だと『ちょっといっぱい!』が面白いです。アニメのオタクの皆さんは当然将太の寿司は履修していると思うので意味不明なくらい適合できると思います。

2018秋クールに将太の寿司環境だったのもあってか、築地に行く回で豊洲市場が出てきたため初動(営業開始時刻)が2時→4時にナーフされたのが印象的でした。多分Sトリガー持ちになりトップ2枚確認して好きな方マナに置けるようになってるのかな…

 

 

どうびじゅ3巻とそれぞれの成長

どうびじゅ3巻収録分は最初から超高カロリーでお届けされるため、界隈が震えてたのを思い出しますね…

桃音だけの"色"を探す回、

両親との確執を感じる二人が織りなす黄奈子&蒼のデート回、

紫苑が嫉妬を打ち明ける回、

美術を志す二人の本音がぶつかり合う紫苑と蒼の激重確執回、

きららMAX9月号の大人気連載「どうして私が美術科に!?」。年も明けて、桃音の家で正月を過ごす黄奈子と翠玉でしたが、桃音に対してやけに親しげな年賀状を見つけてしまった黄奈子の様子に異変が……!回、

黄奈子と翠玉が実行委員になりプチョヘンザの如く革命チェンジする回、

今遂に描かれる黄奈子と翠玉の過去回、

2年生への進級を目前に専攻選択する回、

学外展で母親と向き合う黄奈子回、

美術科で過ごした1年を経て「孤独だった自分」と決別する話、

「鈴木朱花」という人間について。回、

桃音と美術科居残りメンバーズとの接触回、

そして「あなたの未来は…いつだって"あなたが選んだひとつだけ"だよ!」の最終話。

 

この作品では、大きく分けて「自分の境遇、目指すもの」に悩む少女、「家族との確執」に悩む少女が、自身の進む未来を朧げでも確立させようと前に進む姿が描かれています。

前者が桃紫翠、後者が黄蒼朱ですね。

家族との確執ってめっちゃプリティーリズムっぽいですよね。

黄奈子も朱花も「お父さん、お母さん…今度、私のプリズムショーを見に来てほしいんだ」って言いそうな流れじゃないですか?

そんな最強プリズムショーが見れる覇権アニメKING OF PRISMは毎週放送中!

ハチミツで盛り上がる美術科女子、神浜コウジの尻から出るハチミツを見て正気を取り戻してくれ!

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桃音

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4cデリート握ってるオタクじゃん…

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相手もドキンダム抱えてるけども!?


27話の絵の具作成回。

個性的な美術科メンバーと共に過ごす中で、"自分だけの色"とは?という話です。

周りが自分だけの色の絵の具を作っている中、桃音だけ途中でアクシデントが起き絵の具が台無しになってしまいます。

そこで黄奈子たち4人の絵の具を少しずつ分けてもらい絵の具を完成させます。

「みなさんが一から作った世界に一つだけの色を集めてできた色ですから」

このセリフの通り、桃音の作った色は美術科の仲間の色を混ぜ合わせたものであり、"桃音だけの色"ではないんですよね。

ここがずっと引っかかっていました。

桃音は序盤から一貫して、他人同士を結びつけ、その関わりの中で成長していく存在として描かれています。

仲間と過ごした日々、その中で築いた絆や価値観を元に自分の答えを出していく…。不動遊星みたいなキャラと言えるでしょうか。

約半年を過ごした今でも自分だけの色が完成しない。そんな遺恨を残した27話だからこそ、桃音のなりたい、桃音だけの色が見つかる瞬間が、『どうびじゅ』のラストになるはずだと示唆させているんですよね。


「自分に自信がないからこそ、他者の関わりの中で自分の立ち位置を確立できる」

 

対談インタビュー記事でくろばU先生が言及していた酒井桃音がまさにこの通りで、自分に自信がないからこそ、夢がはっきりしてないからこそ、「この美術科のメンバーが好きだから美術科に居続けたい」「自分のやりたいことをしたい」といった等身大のワガママみたいな感情が彼女にとっての真実(ほんとう)なんですよね。

 
だからこそ、最終話で自分と同じく間違って高校生活を過ごしている朱花との会話で、"間違ってしまったらもう戻れない"と自分を押し殺していた朱花に対し、桃音はこの1年で気づくことのできた自分だけの答えで返します。

 

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自分が悩みながらも選んだ一つだけのこの道、その中で出会った親友、過ごした日々、失敗、現実とのギャップ…

数え切れない体験、その全てが今の"自分"の価値観を確立させたという彼女なりの答えに繋がっています。

 

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「間違いの正解を決めるのは

その道を選んだ自分ただ一人だけですよ」

 

 

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選択の理由がいくら結果論であろうがワガママであろうが、これまで歩いてきた道は決して無駄じゃない。

出会ってきたもの全てが、自分の血となり肉となる。そういった人間の相互関係的な側面が、まさに相崎先生の描きたかった「関係性」の物語の根底にあるものだと思っています。

 
"逆だったかもしれない"もしもの私を前にして、改めて自身の失敗を肯定的なものと捉える桃音のセリフが主人公すぎてたまらないんですよね…

 

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ここも「充実した毎日」と「今この瞬間がずっと続けばいいのに」という日常系作品における時間の有限性が表されているシーンなのでめちゃくちゃ好きなんですよね。

それにしてもここの鈴木の顔怖いな…

 


ここからは、私たちが作り出す未来。走り続けましょうみなさん!人生という名の美術科生活を!

「ライディングデュエル、アクセラレーション!!」

 

 

黄奈子

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望んで美術科に入ったわけではない黄奈子

「私が美術を好きになれるまで 美術科にいる理由を『桃音がいるから』にしていい?」とまだ美術に真剣になれない黄奈子に専攻選択というイベントが待ち受けます。

チームオブアート/チームオブデザインでツインリーダーズしようとするのやめろ。

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「誰かのために何かを伝える」ことがデザインの本質と知った黄奈子は、デザインを学ぶことを決め、学外展で両親に自分の気持ちを伝えようとします。

 


心から美術が好きなわけではない彼女が、両親への気持ちを込めて人のために作る作品。

「家族3人で一緒にいたい」

等身大の気持ちを込めた作品の意図は、母には届きませんでした。

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どちらも自分の本心を抑えて「相手のためになると思って」行動する二人はやはり親子でした。

「あなたのためを思って言ってるのよ!」は蓮城寺べる様を思い出すようなセリフですね…

「一緒に海外に住まない!?」がいきなり出てくるあたり黄奈子の学校生活の楽しさが伝わってないんだろうなぁと感じます。

この誘いを黄奈子は断ります。黄奈子の中では家族で一緒にいる時間も桃音たちと一緒にいる時間も同じくらい大切だけど、ここでようやく彼女の"やりたいこと"が背中を後押ししてくれた感じがしますね。

自分の意思で残ることを選択した黄奈子は、これからすごくなってくれるんでしょうか。

ここ本当にプリズムジャンプ跳んでほしいんだよな…2クール目中盤→4クール目序盤まで引っ張るタイプのプリズムショーやってほしいんだよな…


言葉には出さないけど大切な子どものことをずっと見ている蒼や翠玉の母と違って、黄奈子の好きなこともしたいことも本質的なところで理解できてない母というイメージが拭えない竹内母。まあ黄奈子も両親と食事できるのを楽しみにしてる割に多分母の会話のペースに乗せられて色々話できてないんだろうね…

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というわけで物凄いもにょる回なんですよね…

竹内母に反論するのが蒼なのは28話を汲んでいて良かったです。同じような境遇だからこそ通じるものがあるというか、美術にかける思いは違えど一人の高校生としての親に対する寂しさを訴えたの良いシーンなんですよ、蒼がボケキャラに見えて意外と考えてたり視野が広いのを踏まえても。アシスト職人になってるなこの人…

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結局、作品だけでは伝わらなかった。言葉にしないと、届かなかった。

 
「誰かのために何かを伝える」デザインにおいて、母に自分の作品で「家族で一緒にいたい」という等身大の想いを伝えることができなかった黄奈子。

これが彼女にとってのターニングポイントとなりました。

「両親のため」「桃音がいるから」。自分の納得させるための理由じゃなくて、悔しさから成る理由で初めて自分自身のために美術を志すことを決意します。

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自分の作った作品で自分の想いを伝えることが出来なかった黄奈子。実力不足の悔しさをバネに、以前の「親に言われたから」「桃音がいるから」という自分を納得させるための理由ではなく、外に向けた気持ちで改めて美術に取り組む姿勢を見せ始めます。

 


竹内限界ポイント!

桃音の元カレ発覚で心を乱す竹内険しすぎる…

 

 

 

 

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翠玉の盾パスカリス先輩ちゃんと手札1枚切って完全ガードで桃音のスマホ守らないとダメっすよ…

「竹内ーーッ!!」とか「竹内黄奈子ーーー!!!」とか呼ばれるようになったの限界オタクみが極まってしまった感ある。アオリにもフルネームで書かれてたし…

 

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お互いをあだ名で呼び合うほどの関係や、自分の知らない桃音がたくさんあることにマジ泣きする黄奈子。

 お前2巻で過ごした時間は関係ないとか言ってたやん…

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お互いをあだ名で呼び合うほどの仲に嫉妬する竹内。でも桃音も初めて名前を呼び捨てにされたのは黄奈子が初めてだったみたいです。よかったね。

  

ちなみにきららネットリテラシーに抵触した竹内は描き下ろしでDOGEZAしています。

スマホにはロックをかけてください」じゃあないんだよ…千代田桃ならシャミ子のロックパスワード知ってるしGPSアプリも入れてるよ…無理…

 

  


中学生時代の桃音の写真を見て鼻血を撒き散らす竹内……………限界!w

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でも朱花が「親の期待に応えないといけない」というもしもの私だったことを知った黄奈子が今からでも美術科に転科することを勧めるシーンは良かったですね。家族と向き合うことの難しさも、そうしないと何も解決しないことも理解しているからこそ真っ先に口に出せた言葉なんですから。

 
そしたらなんか意気投合しちゃったよ!

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朱花とは"ネタ"を共有してそうでちょっと怖いですよね。明らかに持ち弾少ない黄奈子は鼻血どころか血を吐いて死んでそうですけど…

 

僕の好きな朱桃黄概念です

 

 

 

翠玉

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タイトルは…「孤独」!

竹内黄奈子vs菱川翠玉!!


桃音「どうして黄奈子ちゃんとすいにゃん先輩が…!?こんなの間違ってます!」


くろえちゃん「提出期限は待ってはくれない!!Show must go on!!!!」


読者「楽しんでる…生徒が感情をぶつけ合うのを…!」

 

 

「先輩って頑張りを隠しますよね」

この言葉に尽きているのがこれまでの翠玉の人生です。
人に期待される自分、その期待に応えられない自分。

頑張りを隠すのは、人に期待もさせたくないから。自分を信頼してくれる人を落胆させたくないから。そんな壁を作ってしまいがちなキャラでした。

翠玉は年上なだけあって、「自分のやりたいこと」「自分の夢」は既に確立できています。

ただ、また失敗したくない、期待を裏切りたくない、迷惑をかけたくない…そんな思いが一歩踏み出すことを妨げていました。

 

また、自分のやりたいことは理解している上で、その不安定性から親にこれ以上迷惑をかけたくないという、矛盾のような悩みを抱える翠玉。

その小さな体に抱えた不安を決して見せまいと被るフードと妖精キャラの仮面。本音を悟られないようにどこか壁を作っていました。

翠玉の悩みは等身大というか、一番人間味のあるものです。前のブログの時も書いたけどこの子の「どうして」が一番共感しやすくて好きです。

そんな彼女が無意識のうちに作っていた氷の壁が溶けていくのが2巻〜3巻なんですよね。

 

翠玉が報われて少しずつ夢を叶えていく中、友人だけでなく、何も言わずとも頑張りを見守ってくれる母の存在があったの良い家庭環境なんですよね…

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翠玉、本当に優しい娘なんですよね。心配りができてるというか、困ってる人を見過ごせないというか…でもちょっと不器用で素直じゃないというか…

 

余談ですが、桃音たちが入学してから1週間ずっと美術X室のダルマの中にいた翠玉先輩。困ってる桃音を放っておけないところは中学時代譲りながら、あのまま黄奈子に見つからなかったらどうなってたんでしょうね…想像しただけで苦しいのでやめにします。

 

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ブーメランぶっ刺さってますよ翠玉先輩…

翠玉が進学先を伝えなかったのも「黄奈子がこれ以上寂しくならないように」だったけど伝わってなかったし…

 

黄奈子と実行委員に選ばれた翠玉は、漫画の方の〆切を抱えていることを打ち明けないまま、ハードワークで倒れてしまいます。

そこで始まる孤独のレヴュー。

 

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ここめっちゃアニメ〜〜〜!!!

 

自分一人で抱え込んでしまうことを指摘された翠玉。自分一人でできるからという自身の顕れではなく、迷惑をかけたくないのが本音なんでしょうね。

でもそんなのみんな勘付いてるからこそ、もっと信頼してほしいという黄奈子の本音が響き渡ります。

これまで抱えていたあれやこれやをぶちまけあい本音でぶつかりケンカ中出しした二人。

ダルマに篭る自分に手を伸ばしてくれた友人、本音をぶつけ合える仲間と巡り会えたこと自体が、翠玉の成長だったのかもしれません。

昔みたいな悪友な感じの信頼関係を取り戻してるの嬉しいですね。朱桃黄を見て翠玉先輩は胃がマッハだと思いますけど…

黄翠は決して都合のいい性欲処理としての関係じゃないからね…

 

 

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28話で蒼と黄奈子の珍しいコンビが描かれます。

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28話の扉絵、圧倒的に顔が良すぎる…

 


超アクティブな蒼と怖い顔してるので友達が少なそうな黄奈子、正反対にも見えるこの二人にもとある共通点があって…?

両者とも仕事ばかりしてる母親に対して、自分にもっと構ってほしい、家族の時間を大切にしたい、寂しさを感じているという年相応の悩みがあります。

その一方、この二人にはあまりにも隔絶した意識があります。

「美術の世界にのめり込んだ理由」。

「両親が喜ぶから」そこまで興味のない美術を始め、「桃音がいるから」美術を続けている黄奈子。

「紫苑と一緒に美術をするため」美術を始め、「母に負けないような作品を作るため」「紫苑の隣にいるため」美術に取り組む蒼。

向上心が全くと言っていいほど違う両者は、家庭環境の上で理解り合えてるようでいて、本質なところは全然違った。そんな回でした。

 

 

 

 

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1巻時点で美術の成績は圧倒的だった蒼は天才なんかじゃなく、紫苑を振り向かせたくて努力していました。

 

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その紫苑の抱えているものを聞き、自分の努力の訳が(母に勝手に)打ち明けられ、ようやく親友と本音を見せ合えた蒼は、改めて「自分のために」美術をしてみようと決意します。


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自分の頑張りの根源に向き合ったことで、これまで以上に美術に熱が入るようになった蒼が3巻で一番成長したキャラなのかもしれません。

いや僕はリンゴを片手に大念寺三郎太さんとコンビを組むシーンが一番好きなんですけど…

 

紫苑

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浦上紫苑…対戦相手を変えてあげよう

対戦相手は河鍋蒼!

タイトルは『嫉妬』。

知識に優れたあなただとしても 親友に負けたくないものがあるでしょう?

  

「貴方に個性はないの?自分だけの想いはないの?」

 
「私にだって…大事な想いがある────」

 
Show must go on!!

 

原作(舞台の方)の嫉妬のレヴューの「私の中にもあった…ありがとう 気づかせてくれて」のひかりちゃんがめちゃくちゃカッコいいので舞台版とコミカライズ読んでください

 

3巻では紫苑の抱える嫉妬について描かれます。

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美術の知識は誰よりもある紫苑。ただ、彼女の作品は誰かに正当な評価として受け入れてもらえない。一方、親友の蒼は自分より美術の成績が優れている。

「どうしてこんなに頑張ってるのに報われないのか?」

そんな葛藤を桃音に吐露したところから始まります。

 
蒼との話

 

 


ここは流石に深読みしすぎた感ある


「あなたはあなたにしかなれない

それは呪いであるけれど奇跡でもあるの」

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めっちゃステラのまほうっぽいセリフだなこれ…

29〜30話は重い感情バトルでステラのまほうのような空気感になってましたね。

 

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結局のところ、どこまで行っても自分は自分でしかない。自分と向き合うしかない。

自分の感性、努力、作品、そしてそのオリジンに向き合うことで初めて見えてくるもの…。受け入れること、まだ受け入れられないもの…。そんな折り合いをつけることが、等身大の女子高生の成長なのかもしれません。

紫苑もすず乃先生のアドバイスでようやくその"呪い"を解き放つ糸口が見えてきたみたいです。

 

「嫉妬はもう少しで追いつける相手にしかできない」

この言葉で吹っ切れたのか、蒼同様今まで以上に美術に熱が入る紫苑。

評価されるような作品も作れるようになり、ようやく憧れの人へ一歩近づけたというところでしょうか。

これから先も蒼と高め合えるような親友でいてほしいものですね。

 

欲を言えば、「憧れは理解から最も遠い感情だよ」なんて言われているように、凡人である紫苑が天才・努力の才能を持つ者を前に本当に納得することができたのか?という点の掘り下げはもう少し欲しかったところですね…

 

 鈴木朱花

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鈴木朱花はほぼ天使。乳だけは悪魔。

 

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そのおっぱいで鈴木は無理でしょ…

 

桃音に対してやけに親しげな年賀状を送る謎の美少女…

その正体は桃音の中学時代の同級生でした。

ゲーマーズ特典で色がついた鈴木、髪色と目の色がえっちすけっち桜内に見えてくるんだよな…

 

ちなみに体育祭回で出てたりします。多分これ。

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しゅーちゃんさんとのメールで黄奈子にも見せたことのない表情をする桃音さん。

雌の顔してるのなんなん…

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黄奈子ちゃんも泣いてた。俺も泣いてしまった。

桃音と黄奈子の仲を取り持つ翠玉が一番胃がマッハだったんだろうな…

竹内黄奈子応援上映しない?その後の黄奈子翠回で翠玉先輩クラスメイト夢女がブチ切れるところまで肉声が聞きたい。

 
「目を覚ませ美術科女子が鈴木朱花に侵略されてるぞ!」回は公式の予告時点で遂に現れたか…と言わんばかりにTLが阿鼻叫喚してましたね。直近の掲載順がアレのアレなこともあり蒼紫回に次ぐ胃の痛さだったのを記憶しています。

あと31話の時点でおっぱいでかくね?と思われてたのが37話でマジでおっぱいがでかすぎたためどうびじゅのオタクが次々に敗北を喫していましたね…。

本当に許せねぇな…いやマジで許せねぇ…巨乳が憎い… 

 

37話で遂に姿を現した朱花は、凄まじいハイスペック人たらしオーラを身に纏い、圧倒的速度で美術科の女子を籠絡していきます。コストを踏み倒しつつ場も盾も荒らしていく姿はまさに"侵略者"。

しかもおっぱいまでデカいんだからすげぇよな…そりゃコマンド持ちSA持ちに加えTブレイカーまで持ってるよなこれ…

 
普段から無意識に普通科ブイブイバルバル言わせてるらしいです。

→このあと禁断起動で無事エクストラターンを獲得しました。どうして私が美術科に!?VSRFかよ…

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そして38話で明かされる鈴木朱花のバックボーン。

朱花もまた、桃音と同じように"間違えて"普通科に入ってしまった美術科志望の少女でした。

1話を想起させる構図からも、酒井桃音ifとしての側面が強く描写されています。

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逆だったかもしれねェ…

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一方、「親の期待に応えるため」自分を押し殺すその姿は黄奈子そのものなんですよね。

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だからこそ黄奈子がライバルである(?)朱花を嫌いになれないのは一種のシンパシーなんでしょうか…最終話では同じ女トークで意気投合してるみたいですけど。

(黄奈子の両親との確執も完全な解決に至らずに完結してしまったので何とも言えないんですよね。朱花の語る家庭環境は「親の期待に応えたい」黄奈子と「娘が喜んでいるので美術をさせている(と思い込んでいた)」黄奈子母との埋まらない溝を彷彿とさせますね。)

 
彼女の中に「間違ったらもう戻れない」「両親の気持ちに応えないといけない」「期待に応える自分を演じるために本音を出さない」「友人を振り向かせたい」「友人につまらない嫉妬を抱く」という気持ちが渦巻いているのは、美術科メンバーが1年間抱えて解決してきたものの集大成でもあるんじゃないかと思っています。

だからこそ、この物語のラストで乗り越えるべき存在として桃音たちの前に立ちはだかることとなります。

インタビュー記事にもある通り、朱花はラストで桃音に問いを出す人物(装置)として構想されていたのが、桃音ifや黄奈子ifといった側面が追加され人間味を増して登場させることとなったようです。

この判断ってめちゃくちゃ正解じゃないですか?鈴木朱花を単なる侵略者として描くのではなく、結果的に各キャラクターにこれまでの成長による言わせたいセリフを言わせることができて視覚的にも超わかりやすいんですよね。君を退屈から救いに来たのは桃音の方だったりしますが。

 
ワガママだと言われたっていい。自分のしたいことを見つけた同年代の女子がこんなにキラキラしているなんて…。

朱花は彼女たちとの会話をきっかけに美術科に転科することになりました。詳しくは描かれていませんが、真面目な優等生を演じていた朱花はこれまでの価値観から一歩踏み出せたのかな…そんなことを示唆させる最終話になっています。

でも桃音の方は「いつも一人でいる私が可哀想でしゅーちゃんが一緒にいてくれる」とか思ってそうじゃないですか?天然主人公補正こわっ…


あと翠玉先輩となんか絡み多そうなの嬉しいですよね。

 

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妖精が人間になっていく過程の『オリーブ!Believe , “Olive”?』な感じの表情してる朱花めちゃくちゃ好き…

お互い昔の女の話を肴に飲み明かして雑にホテルで一夜を共にしてほしいですね。

 

おわりに

 

「時間って いくらあっても足りません!」

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美術X室なら空調壊れてそうだし何も違和感ないな!

 

 

「間違いの正解を決めるのは
その道を選んだ自分ただ一人だけですよ」

 

桃音のこのセリフにすべてが詰まっています。

  

"間違ってしまった"と後悔しながら生きる者。

自分の道が"間違ってるのではないか"と不安を抱えながら生きる者。

 一回きりしかない人生、限られた時間。何にでもなれる彼女たちの年齢の時期に、そんな悩みってとっても怖いものだと思います。

 

"間違った"選択を選び、そういった不安に押し潰されそうになった桃音。

でも、それが不正解だったかは今はまだわからない。

間違った道の上で出会ったものがある。得たものがある。

それらを経験してきた桃音こそ、紡ぎだせた言葉です。

それが結果論だとしても、実際に間違いであったとしても、"自分の正直な気持ちに従う"事こそが、今の自分にとっての正しい道となるんです。

 

そう、「正解も 間違いも"らしさ"に変わってく」んですよ。

 

「正解さえも間違いさえも無い

 自由すぎるこの宙(そら)で

 僕らは探し続けるんだ

 ただ一つの道を」

  

皆さんご存知バトルスピリッツ ソードアイズの前期OP『Wild Card』です。この歌詞、全体的にどうびじゅ理解度高すぎるので裁きの神剣起動しちゃったよ…

竹内は愛を取り戻せたんでしょうか。滅龍帝ジエンド・鈴木朱花は驀進してしまいましたが…

 

バトルスピリッツ ソードアイズ』において、「人間は未来に夢見る生き物」として描かれています。

与えられた運命や役割に沿って生きるのではなく、自分の手で答えを探し、考え、夢を叶えていくことが、人間の明日を作る。

ツルギがこの結論に至ったのは、決して彼ひとりの力ではなかった。光と闇のソードアイズたちと触れ合い、物事の見方を変え、始めて自分の心から出せた答えでした。

 

『どうして私が美術科に!?』も同様に、桃音ひとりでは何も進めなかった。一緒に居残りをする美術科の仲間たちも、自分一人では何も成し遂げられず、解決できなかった。

何気ない日常の中で異なる価値観の者と触れ合い、それぞれが美術科に居続けるための理由を思い出し、自分の夢を思い描き一歩を踏み出す。

彼女たちの中で色んな遠回りがありました。ですが、それは決して無駄なことではなかった。

全てのことに意味がある。

歩いてきた道の中で直面した失敗、挫折、苦しみ。その一つ一つが文字通り彼女たちの価値観を肉付けしていきました。

 

 

桃音たちに残された高校生活はあと2年。

その2年間で、彼女たちは新たに何を得るのでしょうか?

やりたいこと、なりたいもの、自分の夢…2年は長いようで、全部決めるには短すぎる。そんな彼女たちにとっての青春の1ページ。

「時間っていくらあっても足りません」。

課題に追われ居残りをしている今も、これからもっと大きな選択を迫られる未来でも、彼女たちはその言葉を呟くのでしょう。

そんな彼女たちの物語をこの目で見届けることができないのは残念ですが、彼女たちなら不思議と乗り越えられる気がしてきます。

何故なら迷いながらでも前に歩いたことを知っているから。

どうびじゅ完結と、桃音たち美術科メンバーの泥臭くとも未来に進む魂と、相崎先生の新作に想いを馳せながら、締めの挨拶としたいと思います。

 

やっぱり美術科(なかま)って最高!!

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